近年注目を集めるプラントベースフード。ベジタリアンやヴィーガン向けの食事としてだけでなく、環境問題の解決策としても注目を浴びています。
プラントベースフードの冷凍食品の通販事業を営む「Grino」について、Red Yellow And Green 株式会社の社長の細井優氏と監修を務める冷凍王子の西川剛史氏にお話を伺いました。
記事の最後に読者限定のクーポンも掲載していますので、是非最後までご覧ください!
創業までの道:同僚の病気をきっかけに食事と健康を考え直す
細井:Grino事業を運営しております、Red Yellow And Green株式会社の社長の細井優と申します。
細井:前職の同僚が病気になったことが、当社の創業のきっかけとなりました。それまでタフに見えた同僚が狭心症という病気になってしまい、手術をして入院という流れになったのです。医師には「食べるものを考え直さないと根本的に状態は良くならないですよ」と言われたという話を聞き、自分自身も食べるものを考え直す良い機会になりました。
当時のオフィスは六本木ヒルズにあったのですが、仕事で忙しいと時間を気にしてしまって外にゆっくり食べに行くことは少なく、コンビニにお弁当のように早くて手軽な食事に依存してしまいがちです。やはり、誰にとっても健康的な食事をとりやすい環境をつくることが必要だと感じるようになりました。頑張ってパフォーマンス高く働いている人が健康を害さなくても良い状況を作りたい、と思ったのが弊社を創業した理由です。
細井:創業当初は、法人向けに福利厚生の一環としてオフィスにサラダを日々デリバリーするサービスを運営していました。ひとえにサラダといっても「食事をした後に眠くなることを防ぐ」「食べるものによって健康を害すことを防ぐ」「腸内環境を整えることでメンタルヘルスを安定させる」など、さまざまな目的に応じて提供するサラダを変えて販売していました。
近年注目されるようになった「健康経営」の取り組みとしてもご提案しており、座り仕事が多い社員の健康作りの目的などで、LINEさんやDeNAさん、サイバーエージェントさんなどIT系の会社さんが多く取り入れてくださいましたね。
私自身も健康経営アドバイザーの資格を取って勉強し、働く人の健康とパフォーマンス改善のためにサービスの改善に日々取り組んでいました。
細井:2020年8月に転機が訪れました。ドキュメンタリー番組を見た際に、わたしたちが普段食べている牛肉などの食材がいかに環境負荷の高いものであるかを知ったのです。
畜産動物のなかでも反芻しながら食事をする牛や羊は、二酸化炭素の20倍ほど温室効果があると言われるメタンガスを食事の過程で排出します。こうした畜産動物が排出している温室効果ガスの量は全体の14%程度にもなります。これは、世界の交通機関とほぼ同等の量であるといわれており地球温暖化への影響力の高さが数字からも分かります。
細井:畜産動物の飼育があたえる影響は他にもあります。牧畜のために毎分サッカーコート1.5面分の森林伐採がアマゾンではおこなわれ、世界の淡水の27%は畜産動物の飼育に充てられ、また世界で収穫される穀物も50%が畜産動物の飼料として提供されています。地球上の哺乳類の96%が人類と家畜であることから、地球上のリソースが人間の暮らしやすさのために設計されている状況を少しでも良くできないかと考えて、動物性食材の代わりに美味しく食べられる食事を提供したいと思うようになりました。
Grinoのコンセプト:なぜプラントベースフードなのか?
僕自身、2020年10月ごろからプラントベースフード中心の食生活に移行しており、肉類をほとんど食べないように努力しているのですが、今選べる選択肢がとにかく少ないと感じています。例えば、お米と一緒に食べるものを探してスーパーやコンビニの惣菜コーナーに行っても、そこで売っているほとんどのものには動物性の食材が使われています。
そこでまずは、おかずになるものをプラントベースフード100%で提供出来るようにしようと思いました。現在、主に主菜や副菜を中心としたメニューをご用意しているのはそういった理由からです。
あわせて、Grinoの食品だけで1食が置き換わるようなメニューとして、キンパやグラタンなどもご用意しているので、忙しいランチタイムなどには重宝いただいているようです。
開発と改善の日々:パートナーにはコンセプトから説明し共感
冷凍王子 西川剛史
大学在学中から冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。
冷凍王子としてテレビ番組「マツコの知らない世界」「NHKごごナマ」「王様のブランチ」「ヒルナンデス!」「ノンストップ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
そのような中、動物性食材を一切使わずに商品を作り上げるということはそもそもかなり難易度の高いことでした。協業先のOEM工場もプラントベースフードに取り組んだ実績がないですから、全く新しいことに取り組むという困難に最初から直面していたわけです。
私が知っているOEM工場さんたちもスキルの高い工場はいくつもありますが、ヴィーガンやベジタリアンの方々が食べるような食事に取り組むという経験がない中でどういった結果に行き着くかは取り組んでみないとわからないという状況でしたね。
スタートのタイミングでは細井さんの前事業からお付き合いのあったOEM先工場さんと丁寧に調整を続けて商品化に至ることができましたが、私の紹介で繋がったOEM先工場との商品も徐々に増えてきています。
そのような中でGrinoではこれまであまりなかった創作メニュー(Naturli’のハッピーチキンチリソース)を用意したり、作るのに本当に手間のかかるメニューにも体当たりで挑戦してきました。グラタンやキンパなど召し上がっている方々が想像する何倍も手間のかかっている商品です。大変な作業ではありますが、お客様においしい、食べてよかった、Grinoが好きだなと思ってもらえるような商品作りを意識しているのはそういった背景があります。
正直にいってまだ完成度が100%といえるレベルには至っていませんが、お客様の直接つながることができる販売形態をとっているGrinoはお客様の感想、気づきを大切に商品の改善や開発に活かしています。例えばリリースから3ヶ月程度でおこなった改善は商品パッケージの変更です。お客様から商品を温める前工程にちょっと手間を感じる、また温めた後にパッケージを開けにくい、などお声を頂戴していました。そこで細井さんと対策を相談したのち早急にパッケージを違うメーカのものに変えるという判断をしました。
こういった取り組みはお客様と直接繋がっている販売形態であることの利点ですよね。しっかりとお客様と対峙させていただいて、頂戴したご意見をもとにより良い商品サービスにする。こういう繋がりとレスポンスがお客様との信頼関係を築いていくと思います。細井さんとは常にこういった話し合いをさせていただいています。
Grinoのこれから:環境にも健康にもやさしい食生活を
もともと、30~40代女性を主な顧客層としてイメージしていたのですが、40代以上の男性のお客様も一定数いらっしゃるのは驚きでした。特に嬉しかったのが、ご自身はベジタリアンではないのですが、CAMPFIREというクラウドファンディングでGrinoを知ったお客様が興味をお持ちになって購入してくださり、その後、味を気に入って定期購入に移行なさったケースです。
プラントベースフードの「Grino」は、2021年4月にクラウドファンディングサイトのCAMPFIREでプロジェクトをスタートし、最終的に144人の支援者とともに事業を開始している。
実は、Grinoを初めて召し上がった際には、お食事を用意された奥様に何も言われなかったため、普段の食事と変わらず美味しかったため「Grinoだ」と全く意識されなかったそうです。食後に、ゴミ箱にGrinoのパッケージがあることを発見してはじめて「あれ、Grino食べたの?」と質問したところ「今日食べたじゃないの。」と言われ、ようやく自分がGrinoを食べたことに気づいたというストーリーが印象的でした。また、お子様が味を気に入ってくださってお弁当のおかずとしても日々活用されているそうで、大変うれしく思っています。一般的な冷凍食品をたくさん使ったお弁当よりも「健康や環境に良い選択をしている」と感じられるのだとおっしゃって頂けました。
総合的には一般的な食事と変わらないことが決め手になり、さらには地球に良い、誰が販売しているのか顔が見えてわかる安心感、そして何より動物性食材を使わないので健康である点などを評価いただけていました。
細井:はい、先述の通りプラントベースフードは大変健康的だと言われており、実際に海外では加工肉や赤肉の摂取と特定の疾患との関連を指摘する研究もあります。プラントベースフードによる置き換えで肉類の摂取量が減るのは体にも良いことだと思っています。
参考
- 情報提供 赤肉・加工肉のがんリスクについて (国立がん研究センター)
- 赤肉摂取と糖尿病の関係 (日本医事新報社)
また、弊社が使用している代替肉は大豆やそら豆を原料にお作りしているものですし、Grinoは冷凍食品であるため保存料を使っていません。添加物の使用も必要最低限に抑えており、できる限り健康的な食生活が送れるように支援ができる商品設計となっています。
ベジタリアン・ヴィーガンの方々は国内に684万人いると言われますが、まだまだ少数派の食文化だと思います。温室効果ガス排出量の14%を占める畜産業の存在は大きく、食事が環境に与える影響は計り知れません。食事内容を変えることで温室効果ガスの発生を結果的に抑えられるとした場合、少しでもこの食生活を取り入れてくださる方々が増えると良いと思っていますので、できる限り情報発信をすることを意識しています。
Grinoは情報発信も盛んだ
- Podcast:https://anchor.fm/grino
- Instagram(菜食のチカラ):https://www.instagram.com/saisyoku_chikara/
- Instagram(Grino公式):https://www.instagram.com/grino.life/
細井:クオリティの高い新しいOEM先(製造メーカー)さんとの出会いも増えていて、これまで以上に美味しい商品の開発を進められています。具体的にはビーフストロガノフ、パスタソース(ジェノベーゼ、カルボナーラ)など、一般的な食事と比べてもこちらを食べたいと本当に思える試作が出来ていて、できる限り早くお客様のお手元に届けられるように頑張っています。
また、長期的目線での取り組みになりますが、商品に利用する食材をより環境負荷の低いものに移行していくということを目指しています。代表的なものに環境再生型農業というものがありますが、これは温室効果ガスの排出を抑制するどころか吸収することができると言われている有機農法の一つです。有機農法により土壌の状態を良くすることで、土中の微生物が増えると、大気中の二酸化炭素を土中に固定することができるようになり、温室効果ガスを減らしていくことができるようになります。これが食事の理想的なエコシステムだと思っていますので、将来的にはGrinoの商品には環境再生型農業で採集された植物を使えるようになるとさらに良い商品、サービスになっていくと考えています。
「健康のための低脂肪かつ繊維質を多く含む植物由来の食事」とは、1980年代にアメリカの栄養学者であるT.コリン.キャンベル博士によって定義された定義された食事スタイルです。私のように環境保護のために実践している方々は日本では4~5%程度でまだまだ少数派ですが、日本人の多くはこの食事スタイルを健康のために取り入れているようです。過去のアンケート結果でも健康維持のためが40%程度、ダイエットのためが30%程度と多くの方がご自身の健康づくり、体づくりのためにこの食事スタイルを取り入れているということが分かっています。
事実、動物性の食材とプラントベースの代替肉を比べると、カロリーが70%オフ、飽和脂肪酸が96%オフ、コレステロールに至っては100%オフ(オムニミート調べ:ひき肉比・推定値と未調理のひき肉(赤身84%)と比較|USDA ARS Food Data Central for Standard Referenceを参照)と非常にカラダに負担の少ない食事だということがお分かりいただけると思います。
地球に負担の少ない食事はカラダにも負担の少ない食事だということがわかる地球も人間もWin-Winな良い事例ですよね。
細井:そうですね。はじめての方向けに「おためしセット」をご用意させていただいているのですが、実はもっとおすすめの購入方法があります。初回から「定期購入プランの6食パッケージ」や「定期購入プランの8食パッケージ」の定期購入プランであれば、よりお手頃なお値段で購入していただけます。いつでも解約していただいてOKですので、まずは「4週間ごとに注文」のコースで試していただいて、お気に召さなければそのまま解約していただければと思います。つい忘れてしまう、という方のために2回目の配送が始まる前にリマインドメールもお送りしておりますので、そのタイミングで思い出していただければと思います。
さらに、mealeeをご覧の方限定のクーポンも用意しましたので、より一層お得に始めていただければと思います。
最大1,500円OFF!当サイトの読者限定のクーポンを発行していただきました
クーポンコード:mealee-teiki (購入の際にクーポンコードに入力してください)
利用条件:定期購入(サブスクリプション)コースで利用可能。このクーポンコードを入力して定期購入コースを申し込むと、初回購入~3回目の購入まで3回にわたって自動的に500円割引(500円×最大3回=1,500円OFF)になります。
取材後記:健康と環境問題への解としてのプラントベースフード
まだまだ日本では珍しいプラントベースフードに特化した食事を販売する「Grino」。取材するまでは、きっとヴィーガンやベジタリアンのための食事を提供するのがコンセプトなのだと考えていました。しかし実際には、健康と環境への配慮をもとに考え抜いた末にたどり着いたのが「プラントベースフード」であったというのは意外でした。同社の創業のきっかけが、創業者の前職の同僚の病気であったことから「食を通じた健康」には特に関心を抱いているようでした。
また、Grinoをはじめるきっかけとなった環境問題を語る際には、言葉の端々に強い熱意が感じられました。植物由来の食品を使っている現状に満足するのではなく、さらに環境負荷の低い食材をつかったメニューを開発していくというのだから本気が伝わってきます。
これまで食肉文化を支えてきた畜産業は、CO2の排出量や水資源の消費量など環境負荷が高いことも明らかになっており、環境問題の解決策としても代替肉が広がっていくことは間違いありません。近年「大豆ミート」などのように植物由来の代替肉であっても本物の肉に似た風味を再現できる技術が登場したことで、世界でもプラントベースフードの市場が急速に拡大しています。
今後、日本にも浸透していくプラントベースフード市場において確実に主要な地位を占めることになるであろう「Grino」。提携先の向上も増えて、ますます美味しさと品ぞろえに磨きをかけていくとのことですので、今後も引き続き注目していきたいと思います。
Grinoの会社情報について
サービス名 | Grino(グリノ) |
会社名 | Red Yellow And Green株式会社 |
住所 | 〒153-0044 東京都目黒区大橋2-8-18 |
電話番号 | 0744-43-9090 |
代表者 | 細井 優 |
公式サイト | Grino|地球とあなたのための冷凍宅配プラントベースフード |
メールアドレス | info@grino.life |
興味がある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。