ここで紹介する「嚥下食(えんげしょく)」とは、かむ力が衰えたり、摂食に障害がある方向けの特別な食事です。
従来のきざみ食やペースト食とはちがう、新しい形の介護食として普及しています。
食材の元の形を保っていて、味にも妥協せず、食べる楽しみを大切にしてQOLを維持する今どきの嚥下食。
誰でも手軽に宅配で嚥下食を注文できる人気のおすすめサービスをご紹介します。
[toc]病院食・介護食メーカーの社長がやわらか食に賭ける思い
介護食がなかった時代の悲しい体験談
病院施設や介護施設向けの食事や、制限食・介護食を製造しているメディカルフードサービス(MFS)社の代表取締役の松島氏は、自らの体験談をこのように語ります。
「創業時から、高齢者社会に向けての介護食の必要性を考慮していました。しかし私の母親は病院で食事介助中、看護師さんが他のナースコールで目を離した隙に喉を詰まらせて、1週間後に他界してしまいました。」
「父親も医師から、何か口から食べると良いのだがと言われましたが、当の医師は何が食べられるかの答えは持ち合わせておりませんでした。結局胃瘻(いろう)となり、足の切断となって他界しました。」
「創業当時からお客様から介護の苦労をお聞きし、やわらかい食事は切実なご要望をいただいていました。」
「しかし、自分の両親にも必要なのにもかかわらず、世の中には存在していなかったのです。」
「やわらかい食事があれば、喉を詰まらせることもなく、口から食事することもでき、元気な生活ができていたのではないかと思います。」
その松島社長が率いるメディカルフードサービス社は、家庭でも電子レンジだけで簡単に調理出来て、歯茎でつぶせるやわらかさなのに、彩りも見た目も普通の食事のままで味わえる「やわらか食」の宅配弁当を提供しています!
従来の刻み食・流動食・ペースト食の問題点
まず、従来のきざみ食やミキサー食をご覧ください。
これは愛知県共済生協で紹介されている、きざみ食、ミキサー食のレシピ例です。(鮭のワイン蒸し)
食事の形状が変わっても、どうにかして料理本来の味を出そうと苦心して開発されたレシピです。
しかし食べやすいように工夫すればするほど、いったい何のお料理なのかわかりづらくなってしまい、食欲にも影響します。
しかもきざみ食の場合、中途半端な大きさだと、かえってむせてしまって、誤嚥の事故のリスクもあります。
事故を防ぐために、ただ細かくきざむだけでなく、しっかりとろみをつけてまとまりを出すなど、気を付けるポイントがたくさんあります。
調理の環境も、通常の料理より長時間まな板の上で食材をきざむので、衛生管理にも注意が必要です。
事故のリスクやそれを減らすための工夫も、思った以上にタイヘンなことなんです。
食べ物の見た目のせいで食べる意欲がなくなると、療養にも影響が出てしまいます。
また、食欲が減退することで、必要な栄養をしっかり摂れず、サルコペニアやフレイルといった、要介護状態への入り口に立ってしまうのも大きなリスクです。
高齢者の食欲とQOLの関係については、すでに学術的にも多くの研究がされており、論文も多数発表されています。
そのうちいくつかをご紹介します。
- 「地域在住高齢者の食欲とQOLとの関連」(葭原 明弘 他)
- 「高齢者の栄養評価と低栄養の対策」(葛谷 雅文 他)
- 「地域高齢者における活力度指標と摂食・嚥下関連要因との関連性」(三浦 宏子 他)
「おいしく食べられない」状態は、「楽しい・楽しくない」という目先の感覚だけでなく、生活の活力に大きく影響することを、まず理解しておきたいです。
在宅介護の現場の切実な声「毎日の食事の用意がタイヘン」
そもそも現実問題として、このような特別な毎日3食きちんと食事を作って用意するのは、在宅介護の現場において、介助者にとっても大変な負担を強いるものです。
介護食がなかった時代に悲しい体験を経験した松島社長が率いるメディカルフードサービス社も、在宅介護の現場では次のようなことが起きていることを把握しています。
「朝はオムツを替えて、朝食の準備をします。普通の介護食は食べてくれないので食事介助に2-3時間かかります。」
「後片付けをして、昼食の準備をして、また食事介助に2-3時間かかります。」
「その後オムツ交換して買い出し、夕食の準備をして食事介助に2-3時間、そして入浴介助です。一日中こんなことを繰り返していると、クタクタです。」
そして、日本全国の在宅介護の現場で待望されて、登場したのが、新しい「やわらか食」の宅配サービスです!
やわらか食・介護食・嚥下食の宅配おすすめランキング!
【第1位】メディカルフードサービスの「やわらか食」宅配サービス
- 「レンジでチン!」簡単調理でおいしい
- 管理栄養士が栄養計算していて安心
- 全国へ送料込みで宅急便でお届け!
- 単発買いだめでもお得な定期便でも頼める使いやすさ
介護される方や、摂食困難な方、そして食事介助に苦労されている方におすすめなのが、メディカルフードサービス社(MFS社)の「やわらか食」です。
同社は、糖尿病や高血圧、腎臓病の方向けに、糖質制限食や減塩食などの病態食を提供してきました。
そして「やわらか食」は、実際の介護現場の状況や、食事介助に苦労されている方々の声を元に作られた、メディカルフードサービスの魂ともいえるサービスです。
食べ物の見た目や味、彩りはそのままに、食材のやわらかさだけを軟らかくする「凍結含浸法(とうけつがんしんほう)」という特殊な技術を使い、通常のお弁当を食べるのと同じ喜びを届けてくれます。
従来の介護食のイメージを完全に変える!
人参が、ゴボウが、海老が、牛肉が・・・プリンやお豆腐並みの力でつぶせるぐらい軟らかくなります。
料理の見た目や色はそのままなので、食欲が損なわれることなく、おいしく食べられます。
管理栄養士が考えたメニューで食べやすく、家族全員のQOLアップ!
栄養面でも、管理栄養士が栄養バランスを考慮してメニューを考えているので安心です。
毎日毎日、食事の介助をする苦しさから解き放ってくれるメディカルフードサービスのやわらか食は、介護される方と、介助する方の、両方のQOLを大きく向上させてくれることまちがいなしです!
美味しい食事を楽しみ、健康を維持する。
介護される方はもちろん、食事を用意する家族の方の人生のQOLも上げる。
不定期・単発のまとめ買いも、好きな間隔・食数でお得な定期コースもOK
メディカルフードサービスのやわらか食は、自分の好きなタイミングで、足りなくなってきたら買い足す6食セットの単発注文と、好きな配達間隔・食数で届けてくれる定期コースに対応しています。
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メディカルフードサービスを実際に食べてみました!口コミ・評判もチェック!
メディカルフードサービスは、日本全国の病院や介護施設に食事を提供している介護食メーカーのメディカルフードサービス社(MFS)が、家庭でも簡単においしい制限食を利用できるように作った、冷凍弁当の宅配サー ...
【第2位】嚥下食の専門サービス「やわらかダイニング」
嚥下食を誰でも通販で簡単に注文できるサービスが「やわらかダイニング」です。
塩分やカロリーなどの制限食や通常食で高く評価されているウェルネスダイニングが手掛けています。
自分にちょうど合ったやわらかさのレベルの嚥下食を、宅急便でまとめて届けてもらえます。
「やわらかダイニング」の選べる3つのコース
やわらかダイニングは、軟らかさの異なる3つのコースがラインナップしています。
詳しく見てみたいコースをタップしてみてください。
選べる3つのコース
- ちょっとやわらかめ宅配食
(ほどよいやわらかさ) - かなりやわらかめ宅配食
(お箸ですっと切れる) - ムースやわらか宅配食
(スプーンでつぶせる)
【1】ちょっとやわらかめ宅配食
固いものや大きいものがやや苦手な方向けに、ほどよくやわらかめに仕上げたコースです。
口に入れやすいサイズで食べやすく、しかも食べ応えもある食事です。
【ちょっとやわらか 初回送料無料】
【2】かなりやわらか宅配食
お箸で押すとすぐに形が崩れるくらいのやわらかさです。
主菜のほとんどは凍結含浸法という技術でやわらかく仕上げられています。
あんかけでとろみをつけるなど、飲み込みやすさにも配慮しています。
【かなりやわらか 初回送料無料】
【3】ムースやわらか宅配食
ムース状にしたおかずを、実際の食材に近い形に成型しています。
和菓子の練り切りや芋ようかんのように、舌で簡単につぶせるくらいのやわらかさです。
弾力もほとんどないので、飲み込みに自信のない方にもオススメです!
【ムースやわらか 初回送料無料】
どのコースも初回は送料無料で、まとまった数を注文できます。
7食・14食・21食というまとまった数が一度に届くので、冷凍庫にストックしておけば、いつでも好きなときに使えます。
ウェルネスダイニングと同じパッケージなので、参考にしてください~
【第3位】名阪食品の「そふまる」
そふまるは高齢者施設・障がい者施設給食を始めとする各種給食サービスを提供している名阪食品が開発したやわらか食です。
素材の見た目・味を残しつつ歯茎でもつぶせるタイプの介護食で、冷凍タイプのお惣菜となっています。
咀嚼や嚥下が困難な高齢者の方が安心して食べられるように、つくられたやわらか食となっています。見た目が普通の食事とほとんど変わらないので、きざみ食だと気が滅入るという方には特におすすめです。
- 普通食と変わらない食感!
- 見た目も整っていてやわらか食に見えない
- 1食あたり、500円~600円
そふまるのやわらか食は、酵素を使用することで実現しており、その酵素自体も食品由来で安心です。
咀嚼など弱くなってしまった人でも、美味しい食事を楽しめるようになっています。
- お試しセット(6食お試し):3,456円 - 1食あたり576円
- 全種セット(19食分):11,340円 - 1食あたり597円
- バラエティセット(10食分):5,724円 - 1食あたり572円
こちらが当サイトで実際にそふまるのやわらか食を食べてみたときのレポートです。
【編集部レポート】そふまるのお弁当を食べてみました!
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介護食の「そふまる」を実際に食べて感想を写真つきで紹介!高齢者でも安心のやわらか食!?
そふまるは素材の見た目・味を残しつつ歯茎でもつぶせるタイプの介護食で、冷凍タイプのお惣菜となっています。 咀嚼や嚥下が困難な高齢者の方が安心して食べられるように、つくられたやわらか食となっています。見 ...
続きを見る
美味しく食べられる嚥下食でQOLの維持を
凍結含浸法:介護食のおいしさを生み出す技術
最近の介護食は、「凍結含浸法(とうけつがんしんほう)」という技術を使って、食材の形を保ったまま、食材の奥深くまで味を染み込ませており、格段に美味しくなりました。
冷凍・解凍(常温復帰)や真空化、酵素の投入などを組み合わせた凍結含浸法は、圧力鍋で調理するとか、長時間煮込むといった普通の調理方法とはまったく別な原理で味付けをします。
おかげで、食材の形状を損なわず、味を食材の奥深くまで染み込ませることに成功し、多くの美味しいメニューが開発され続けています。
- 肉・魚・野菜など、食材の種類を問わず、本来の食べ物の形状をほぼ保っている
- 食材の内部に、味を深く浸透させており、塩分などを最小限に抑えながらも、深みのある味わいを出している
- 酵素のはたらきをコントロールすることで、食事のやわらかさもコントロールできる。
「嚥下食ピラミッド」を知っておこう
日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、各社ばらばらに展開している嚥下食のやわらかさを、同じものさしで測れるような標準規格が提唱されています。
咀嚼や嚥下のしやすさによって6段階の難易度を想定し、品質管理を行っていこうという試みです。
嚥下食ピラミッドは、やわらかい順に、上からレベル0、1、2、3、4、5と分かれています。
やわらかダイニングは、この中のレベル3~4あたりのやわらかさで作られています。
ただ、食材の物理的な固さを正確に測定する技術があまり普及しておらず、各社バラバラに独自のの基準を設けて、商品開発を行っているのが現状です。
ですが、いずれ嚥下食ピラミッドによって嚥下食の規格が統一されれば、誰からもわかりやすく、やわらか食を気軽に注文できるようになるかもしれないですね。
ムース食を個人宅でも頼めるサービスはとても貴重
「ムース食」の特徴とメリット
さまざまな嚥下食の中でも、ムース食はとても貴重です。
ムース食は、病気や要介護状態にかぎらず、噛む・飲み込むことが困難な方向けや、口腔内のケガの治療中の方向けに、特別に加工されたものです。
見た目は普通の料理の形なのに、食べてみると、ほとんど咀嚼することなく、舌と上あごだけで簡単に押しつぶせるように調理されています。
- 見た目は通常の食事(常食)と同じ
- 歯茎や舌で簡単につぶせるやわらかさ
- 簡単に飲み下しできる
実際のムース食と通常の食事(常食)を比べてみましょう。
下記の写真は、病院・福祉施設向け食事サービスNo.1の日清医療食品のムース食の写真です。
言われなければムース食だとは分かりません!
個人で簡単に申し込めるムース食
元々ムース食は、病院・社会福祉施設での食事サービスとして提供されてきました。
しかし個人で簡単に申し込めて、宅配便で届けてくれるサービスはほとんどありません。
上記の日清医療食品は、冷凍で届く宅配弁当も手掛けていますが、ムース食はラインナップしておらず、あくまで施設向けの配食サービスとして提供されています。
やわらかダイニングの「ムースやわらか宅配食」コースは、個人向けムース食の貴重なサービスなんです。
【ムースやわらか 初回送料無料】
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