”ステイホーム”が話題となった2020年は、新しいタイプの宅食・宅配弁当が続々と登場しています。ママ向けの冷凍宅食サービスの「ママの休食」も2020年に運営を開始した新サービスです。
今回は「ママの休食」を運営するセブンリッチグループのしきさんにお話を伺いました。そのコンセプトや、これから目指していることについてもお話を伺いました。
「ママの休食」をはじめたきっかけとは?
しき:「ママの休食」の事業責任者を務めているしきです。管理栄養士の資格を取ってから、食や健康に関する様々な仕事をしてきました。前職では、モバイルコンテンツ企業で栄養指導事業の立ち上げやコンテンツ企画、研究事業などを担当していました。民間企業で専門家として働くうちに、自身で世のなかのヘルスケア課題に寄与するサービスをつくりたいと思うようになりました。そこで、2018年にセブンリッチグループに参画し、今年宅食ブランドである「ママの休食」を立ち上げました。
しき:実は、私が管理栄養士の資格をもっていることもあって、周りから「毎日これさえ食べていれば大丈夫!みたいなものを作ってよ」と言われていたんです。ヘルスケアは「大事なのはわかってるけど知識やスキルがなくて実践できない」という方がとても多いです。ヘルスリテラシーに左右されずにヘルシーを達成するためには、日常生活の導線の中で“健康づくり”を設計する必要があると感じていました。そこで、いつもの食事をヘルシーにするためのオンラインミールデリバリー事業に着手しました。
ママの休食で女性の低栄養問題を解決したい
しき:ママの休食は「ママに休養と栄養を届ける」がコンセプトです。たとえば、産後間もないママは、育児に家事にと大忙し。赤ちゃんを抱っこしながら料理をすることもあると聞きます。それでもできるだけ自炊を心掛けるのは、宅食や外食に対して後ろめたさがあるから。どんなに大変でも、親の責任放棄だと思われないように頑張ってしまう... そんなカルチャーが日本には、まだまだあります。
ママの心身の健康は結果的に家族の健康につながります。「ママに休養と栄養を届ける」というコンセプトには、ママが家族のために無理をするのではなく、ママ自身の健康を通じて家族を健やかにするという意味も込められているんです。
しき:オンラインミールデリバリー事業をはじめようと考えたときに、私たちがやる意味や社会的意義のある領域はどこかを徹底的に調べました。他社が課題解決できている領域をなぞっても、私たちがやる意味はあまりないので、自社のポジショニングをどうとるかと模索していた中で、若年女性や産前産後の低栄養問題を解決するための際立つプロダクトが世の中にはないと感じたのです。
日本は、他の先進国と比較して低出生体重児の出生頻度や胎児の二分脊椎(先天異常)が増加しているのです。
しき:その要因の一つとして妊娠前の女性の痩せ、妊娠中の低栄養、妊娠中の体重増加不足などがあると言われています。
若年女性(妊娠前)のやせ、妊娠期・授乳期の低栄養は、次世代にも悪影響を及ぼすことが分かっているため、厚生労働省や日本栄養士会はその対策を急がれていますが、未だ大きな改善は見られていないようです。
つい熱くなってしまいましたが、「ママの休食」は「女性の低栄養問題」に対する一つのソリューションとなるプロダクトだと考えています。
味も栄養も!こだわりを詰め込んだ宅配弁当
ただし、正確には原材料由来の添加物が一部含まれることはあります。例えば、料理に使用するチーズに使用されている乳化剤のように、これを使わないと美味しさを維持することができないようなものや、原材料の品質を担保するうえで必要不可欠な添加物までもゼロにすることはできません。
こうした原材料由来の添加物は微量に含まれますが、調理過程で新たに添加物を使用しないようにしています。また、フレッシュ野菜を使ったり、工場と製造方法について細かく調整・指示して添加物を使わずに美味しくする方法を追求しています。
たった一つのメニューをつくるのに、レシピをつくってから製造に入るまでに、数か月かかります。試作品を作っては、チームみんなで試食をしているのですが、「とにかく、美味しいものを食べたい」というメンバーばかりなので、毎回辛辣な声をもらいます。
こうした声をもとに、加熱時間やゆでるタイミングなどを変更したり、ナッツをローストする工程を追加したりと、味にはかなりこだわって開発しています。
何度も試食会をするので、「栄養問題を解決する」はずの私たちのほうが、日々の食事のバランスが崩れているかもしれません(笑)
コロナ禍でクラウドファンディングでスタート
-ママの休食は、2020年4月にクラウドファンディングのCAMPFIREでスタートしました。
子育て中のママからの反響はもちろん、現在妊娠中の奥様がいる男性からの応援もかなりありました。事前にアンケートなどでもわかっていたことではありますが、実際の反響をみてママの栄養問題にこんなにも関心がある人が多かったんだなと実感しました。
ただ、チーム内や取引先とのコミュニケーションロスはかなり大変でした。弊社は、販売者としての顔とメーカーとしての顔の両方をもっているので、全体の統率をとるのには苦労しました。工場も倉庫もメンバー間も、すべてオンライン会議になってしまって、立ち上げ期のスピード感が重視される中での完全リモート化は、正直辛い部分もありました。
販売状況としては追い風だけど、裏側はてんやわんやだったというのが正直なところです。
ママをライフステージに応じて幅広くサポート
しき:それぞれのプランで、栄養の基準を変えています。
例えば、月経があるときとないときで鉄分の必要摂取量は1.6倍も違うんです。また、妊娠前と妊娠中では、食べていいものが異なっていて、ビタミンの摂取量上限についても変化します。
産婦人科の栄養指導で指示されるこうしたチェックポイントに、産前と産後の時期に対応した献立を自分で考えて準備するのはなかなか大変です。こうしたライフステージに応じた栄養がとれる設計になっているのは、ママの休食の一つの特徴です。
また、「ママ&ご家族の活力に」という3つ目のプランは、旦那さんやお子様に食べていただける通常食となっているので、家族みんなで楽しむことができます。
朝と夜は旦那さんが料理を作ってくれるので、お昼ご飯だけ「ママの休食」を食べている、という方が多いようですね。まだ子供が小さいと、抱っこしながらキッチンに立つこともあり、火を使うのも怖いのではないかと思います。そんな方は、育児に専念して、食事はママの休食で、という風に役立てていただいているようです。
今月のメニューは、LINEで配信していますので、購入者の皆様には、毎月届く前にメニューがわかるようになっています。
ママが自分のために購入するばかりでなく、パパがママのためにプレゼントするというケースもあるようです。やはり自分のために買うのが後ろめたく感じる方も少なからずいるので、私たちとしては、パパがママのためにプレゼントしてくれるのが一番嬉しいです。
「パパからママへ」以外にも「出産祝いに」、「お母さんから娘に」、「息子が両親のために」、、という利用シーンに合わせて、現在ギフト用の購入サイトも準備しています。
ヘルスケア事業としてお客様と共に創っていく
当社では、今後クリニック事業も開始する予定なのですが、そういった医療領域とも力をあわせて、低栄養問題に対して臨床研究などさまざまな取り組みをやっていきたいです。
取材後記:美味しい!けれどつねに真剣
「ママの休食」は、まだまだスタートしたばかりのサービスで情報も少なかったのですが、インタビューを通じてチームの熱が伝わってきました。
特に、しきさんが何度も熱く語っていたのが「女性の低栄養問題」と「味へのこだわり」です。美味しくなければ食べてもらえない、食べてもらえなければ栄養問題は解決できない、だから「味も栄養も追求する」というのがママの休食チームに共通する想いのようです。
「ママの休食」は1食900円台と、他社の大手冷凍弁当通販と比べると決して安い価格ではありません。しかし、その金額に見合うだけのコストと手間がかかっていることは間違いないようです。
特に、添加物を使わない調理、国産野菜へのこだわりといった特徴は、効率的に安定して大量に製造する必要のある大手には真似できない、スタートして間もない「ママの休食」だからこそ実現できる強みなのかもしれません。
ママの休食の会社情報について
サービス名 | ママの休食 |
会社名 | 株式会社Seven Rich Accounting |
住所 | 〒150 - 0002 東京都 渋谷区渋谷3-19-1 渋谷オミビル4F |
電話番号 | 03-5766-7837 |
販売責任者 | 川端史紀 |
公式サイト | https://mamakyu.com/ |
Twitterアカウント | https://twitter.com/mamano9shoku |
メールアドレス | support@mamakyu.com |
ママの休食の注文についてはAmazonや楽天での取り扱いはありませんので、公式サイトから申し込みをする形となります。
興味がある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
編集部実食レポートはこちら
-
ママの休食を実際に食べてみました!栄養満点で味も大満足の冷凍弁当!?口コミ・評判も要チェックです!
ママの休食は管理栄養士が監修した無添加のお弁当を届けてくれる、冷凍宅食サービスです。その名前の通り、徹底的に妊娠中・産後のママのために考えて作られたお弁当となっています。 妊娠中一番つらい家事といわれ ...
続きを見る